2009年7月18日

トレッキング前編 もうだめだ! 4/14-4/16 ポカラ→プーンヒル

1日目(4/14) ポカラ⇒ティルケドゥンガ(1577メートル)

早朝、朝ごはんを食べてからドゥルガさんと一緒にタクシーに乗り込みます。
ナヤプールというトレッキングのスタート地点まで行くのです。

と、言ってもここはネパール。約一時間の道のりはほぼ山道。昨日の繰り返し。平らな道とまっすぐな道はありません。うねうね坂道を上り下り。。。
1000メートルぐらいの山を2つほど越えていきます。
ナヤプール(1100メートル)に到着後、早速川沿いにいざ出発。


最初は「空気が気持ちいい」なーんて遠足気分。
が、けいじはとてつもない量の汗がでます。30分ほどでTシャツを絞れるほど。。。尋常じゃないです。
どうも、腹痛の影響が続いているようです。ゆきは薬が効いていい感じなんですが、いかんせん元来運動が苦手です。最初は気持ちいいね~とか言っていても10分後にはゼーハーしてきます。

1時間も歩かないうちに2人とも「ちょっと無理かも」って思い始めてます。

驚いたのは、歩いても歩いても、どこまで登っても村があって、人が生活していることです。トレッカーのための茶店やゲストハウスはもちろん、段々畑を耕している人もたくさんいます。
道は一応あって石があるんですが、めちゃくちゃ歩きづらい!わざと捻挫させようとしてるんじゃないかと思うぐらいなところもあります。(ゆきは「ねんざ系山道」と命名)

さらに、牛やヤギ、犬の「落し物」も半端じゃない量があります。ネパールの村人の生活道路を歩いているので、普通にネパール人も行きかいます。歩くスピードが僕らとは違います。さすが山の人!

かなりの回数の休憩をはさみつつ、予定通りティルケドゥンガ(標高1577メートル)という村へ到着。
1日目は10時に歩き始め、昼食・休憩も入れて15時頃宿に到着。

2人とも宿に到着するやいなや倒れこみ、昼寝です。ねっころがったまま2人で真剣にこのままリタイヤするか検討。せっかくお金払ったんだしかんばろー!とケチな僕らは合意。
こうなりゃ元気出さなきゃいけないんで、晩飯は気合を入れてステーキを食べます。
へろへろでも、食事のときだけは元気!
↓ゆきのチキンカレー。チベット風です。

うまい!ご飯代はトレッキング料金に含まれているので、何でも食べられます。

問題はペットボトルの水が高度とともに値上がりしていくことです。
ポカラでは1リットル15-20ルピーですが、ティルケドゥンガでは60ルピー(80円)!
3倍です。これより上に行くともっと値段が上がるそうで、、、

1日目は本当にへろへろでした。その証拠に撮った写真が食べ物だけでした。風景はゼロ。
我々は3200メートルを目指しているのに、400メートル登っただけでばてばてです。
本当に登頂できるんでしょうか。。。


4/15(2日目) ティルケドゥンガ⇒ウレリ(標高2120メートル)⇒ゴレパニ(標高2853メートル)

↓朝、まだ元気があるうちにと、写真撮影。宿の中庭で1577メートルの板を指差してますが、、、小さいですね。
朝ごはんのメニューにチベタンブレッドというのがあったので注文。

こんな形で、ふわっと膨らんでいます。なかなか美味しくて、トレッキングの最中はずっとチベタンブレッドでした。

今日はもっともハードな行程の日です。7時にキルケドゥンガを出発後、標高差約600メートルを登ります。登りますって一言で言っても全部石段で、大体1時間半ぐらい登り続けるのです。
今回のトレッキングルートの最初(かつ唯一)の難所とのこと。
これがしんどい!何でお金払ってこんな辛い目にあってるんだ、とか思いながらひたすら登ります。

ドゥルガさんがひょいと指差した先を見ると、雪をかぶった美しい山が!
この辺で一番高い山「アンナプルナ・サウス」です。美しい景色に元気をもらいながら、通常1時間で登る石段を、2時間ぐらいかけて登りきりました。

登りきったところにはウレリという村が。一休みっていうか倒れこみます。
↓キルケドゥンガの村がはるか下に見えます。

けいじはまた腹痛が収まらず尋常じゃない量の汗が!ゆきは体力不足でへろへろです。茶店で休憩後、歩いているとなんとキリスト教の教会が!
ネパールのこんな山の中にもキリスト教徒がいるんです。宣教師もこの山道をえっさほいさ登ってきたんでしょうか。。。信仰って凄い。


さらに荷物をしょったロバの集団が来たり、馬に乗って山を登る地元の人とか結構今日は往来が激しいです。ただ、けいじ・ゆき・ドゥルガさんのグループは動きが遅いので追い抜かされてばっかりです。ドゥルガさんは「ゆっくり、ゆっくり、さあ行こう」という日本語をばっちり覚えました。ドゥルガさんは48歳とのことですが、丈夫です!すごいね~。さすがネパール人。地元の人は結構普通に小走りに上り下りをしていきます。
10時ぐらいからは森の中を行きます。森の中は日差しがないのでいいのですが、足元が濡れている事が多くて気を遣います。こんなお花も咲いています。ただひたすら続く登りに「もう、ちょっと無理」って言いかけた頃、やっところお昼ご飯。昼寝の時間も含めて1時間半ぐらいゆっくり休憩。


午後も必死に登り、ゴレパニという村に到着!まさに転げ込むって感じで早速昼寝。ところが、ここでけいじに異変が。過剰な運動がよかったのか、お腹の病原菌が高山病にかかったのか(?)、薬がやっと効いたのか腹痛が治まります!

こうなりゃこっちのもんです。晩御飯もしこたま食べて、ついでにアップルパイもがっつきます。



ゆきも明日の登頂にちょっとだけテンションが上がっています。
なんせ、明日の午前中だけがんばって登れば、後は降りるだけなんです。

ところが部屋が寒い、、、昨晩の部屋と同じような板一枚で仕切られただけ。高度も上がった分だけ寒くなっています。昨日に引き続き高性能寝袋を使って寝ます。寒い。。。

明日は今回のハイライト、プーンヒル(標高3200メートル)にて朝日を拝むのです!ちょっと今日は曇り気味だったからお天気が心配です。朝、晴れていたらドゥルガさんが4時ごろに起こしに来てくれるとのこと。天気よ晴れろ!
ゴレパニでは水1リットルが90ルピー。高いよ~。


4/16(3日目) ゴレパニ(2853m)⇒プーンヒル(3200m)⇒タトパニ(2721m)

4時ごろに目が覚めます。ちょっと興奮してたのかもしれません。窓から外を見ると星が見えます!晴れてる!ドゥルガさんもお迎えに来てくれます。
ダウンジャケットを着込んで、防寒をばっちりしてプーンヒル山頂目指して出発です。
外は暗いので懐中電灯をつけつつ登ります。。登ること約45分!いつものとおり、他のグループにどんどん抜かされて行きいます。なんとか夜明け前にプーンヒル(3200メートル)山頂に到着!

やったー!!! ついに登頂!

山頂では商売人がアツアツのお茶を売っています。1杯30ルピー!高いけどあまりの寒さに奮発して買います。
そして、やってきました夜明けが!空は晴れ渡り、ダウラギリ・アンナプルナ・マチャプチャレなど雪をかぶった高峰が一望できます!圧倒的な存在感です。
高峰の頂上からゆっくりとピンク色に染まったかと思うと、一気に朝日が出てきます。こんな感じ!我々2人とも大感激。
ゆきも大感激!

↓これが朝日に浮き上がって見えるダウラギリ(8167m)!

しんどい思いをしたけど登ってきて良かった!ほんで、晴れてよかった!ツイてる!
山頂には1時間ぐらいいて、日の出と景色を楽しみました。
ちなみに、ダウラギリ(8167メートル)・アンナプルナ(8091メートル)・マチャプチャレ(6993メートル)
ネパールの人にとってプーンヒルはその名の通りヒル(丘)なのです。「山」とは5000メートルぐらいより高いものを言うらしいです。
つまり、富士山も丘です。日本の山は全部丘みたいなもんだとのこと。おかしいだろそりゃ!

最後にダウラギリをバックにドゥルガさんとツーショット!

プーンヒルに登った後、いったんゴレパニまで戻ります。
戻るって言ったって、500mぐらい下るんです。
↓ドゥルガさんの右下の雲の下にあるのがゴレパニ。遠かった。。。


ゴレパニで朝食。大迫力の景色を見た後だと本当にご飯が美味しい!再び歩き出します。今日は、そこまで激しい登りはないらしい。
けいじは腹痛も治り、意外といい感じで登っていきます。ゆきは相変らずしんどいながらも確実にゆっくり登ります。
3000メートルを越えている尾根を歩いていると、雪をかぶったダウラギリ・アンナプルナの勇姿が!
ちょっとテンション高く、2人はいい調子で行きますが、どうやらドゥルガさん的にはまだ物足りないようです。 なんとも頑健なのです。
高地地方にいるヤクを見たりしながらてくてく歩いていきます。
11時ぐらいにデオラリ(標高3103メートル)という村を通過。この村は規模の割に人がたくさんいます。料理中のおばちゃんを撮影!この高地に住んでいる人たちはほぼ全部チベット系で、我々と顔が同じです。なんとなく親近感を持ってしまいます。
ところが、このデオラリから谷間を一気に降ります。谷間と言っても半端なものではなく、大岩にへばりついている道(みたいなの)を滑らないようにそろそろ下ります。この谷を降り切った頃には冷や汗、、、膝がガクガク大笑いです。

バンタンティという集落を通り過ぎていく途中でとんでもないものを見ました。景色がいいのですが、なんとも500メートルぐらいの絶壁の上に茶店があります。
道と絶壁の間の2.3メートルの空き地を畑にしています。にんにくとかジャガイモが植えてあるんですが、収穫しようとすると絶壁の際まで行かないといけません。ジャガイモを採りに行って、間違えて死んじゃう可能性もあるわけで、、。↑こんな絶壁。

よくまあ人は厳しいところで生きて、畑を作るんだと感心してしまいました。
感心しているのはつかの間。ふかーーい谷を降りて、登ります。標高差2-300メートルほどでしょうか。
ゆっくりゆっくり降りていると、地元の荷物を運ぶ兄ちゃんたちが約30キロぐらいの荷物をしょって駆け下りて行きます。我々はゆっくり降りて谷底の川までたどり着き、またまたたくさんの人に追い抜かされながらゆっくり岩の道をよじ登ります。登りきったタダパニ(標高2721メートル)でお食事。

少しだけ降っていた雨が激しくなったので、今日はここで泊まる事になりました。
食べなくちゃ明日も歩けません。しっかりがっつり晩御飯を食べます。
↓のピザのチーズはヤク乳チーズです。臭みがあってちょっときついんですが、なれれば美味い。

ネパールは歴史的にインドと中国、チベットなど大国に挟まれながら一度も占領されていないそうです。ネパール人の兵隊は強いことで有名で、傭兵(グルカ兵)として活躍したそうです。
でも、ネパールが占領されなかったのは兵隊が強いからじゃなくて、攻めて占領するほどの魅力がなかったんじゃないでしょうか?山ばっかりだし、道っていっても自然の地形に沿ってひたすら登りか下りです。そもそも、山に入ってから車輪を見ていません。ものの運搬は2009年になっても人力かロバなんです。

でも、電気と水道はちゃんと来ています。ソーラー発電と豊富な雪解け水で1日8時間しか電気がない&半日断水のカトマンズよりましなんです。なんだかあべこべですが、ハイテクとローテクが組み合わさっているんです。
ネパールは産業が観光ぐらいしかないので、目玉のトレッキングには力を入れています。結果としてホットシャワーもちゃんと出る快適なトレッキング環境なのです。なんだか不思議な国ですね。

2人でぼそぼそ話しながら寝ようとしますが、昼間の雨&高山&壁がベニヤ一枚ということで寒い!またも高性能寝袋のお世話になりながら眠ります。
タダパニは水1リットル80ルピー。もうこれ以上高くならないといいな。
トレッキングルートのあっちこちにこんな絵がかかっています。
絵で見ると近いんだけどね~。歩くと辛い、、、

ガイドのMr.Durga(ドゥルガさん)の連絡先:https://www.facebook.com/durga.basnet.399
日本語は少し。英語は上手。歩きがダメな人でも無理のないスケジュールとペースを作ってくれます。

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